インターネットで「職場 嫌いな人」と検索すると、ものすごい数の記事がヒットします。このことで悩んでいる人が相当数いらっしゃることが伺えます。
特に職場ですと、毎日顔を合わせないといけないため、それはかなりのストレスです。私だって経験あります。あまりの嫌さに転職してやろうかと、本気で職探しに奔走したこともありました。
あなたは、嫌いな人に出会わない方法があればな、と思われていることでしょう。確かに、出会う他人を自分で選択することは不可能です。
しかし、嫌いな人からのストレスを克服する方法ならあります。半信半疑の方は、この先を読み進めてみてください !
他人を「嫌い」と感じないようにする
その方法は、職場で毎日顔を合わせる「嫌いな人」を、嫌いと感じないようにすることです。
それは、自分の感覚をマヒさせるということではありません。自分の感情を押さえつけることでもありません。それは、ちょっと視点をずらして考える、ということなのです。
「嫌いな人」というのは、大きくわけて次のパターンがあると思います。
- その人の言動にイライラさせられる
- その人が自分に対して嫌がらせ、仕事の妨害などの攻撃をしてくる
どちらにしても迷惑な話なのですが、実はこれには自分自身が関係しているんです。ですから、たとえ転職しても、嫌いな人が転勤になったとしても、自分の意識が変わらないかぎりまた同じことが繰り返されるのです。
それぞれについて、ご説明いたしましょう。
他人の言動にイライラするパターン
私の会社での経験をご紹介しましょう。
私の向かいの席にいた女性はいわゆる「ぶりっこ」体質で、男性社員に対していつも上目遣いで甘えた声で話をします。仲のいい社員がいて、それこそ1時間おきに彼女に話しかけ、長いときには20分ほども立ち話しをしていきます。
想像してみてください。私の目と鼻の先で、スナックのママと客がデレデレとイチャついている、そんな光景が一日中繰り広げられるのです。
私は毎日、腹の底が煮えくり返る思いで仕事をしていました。上司に相談して注意もしてもらいましたが、止む気配はありませんでした。
席替えも部署異動も不可能です。困っていたところ、ある人のセミナーに参加したのがきっかけで、ひとつの結論に達しました。
私は、「男性に媚びをうる態度はみっともない、やるべきではない」という強い思いが自分の中にあると気づいたのです。自分に対して「ぶりっこ」を禁じていた、とも言えます。自身に対して禁止していることを、目の前の人間がヤスヤスとやってのけているので、ムカついていたわけです。
この発見ののち、私は以下のように考えるようにしてみました。
彼女がぶりっこ体質なのは仕方ないこと
それは彼女の生きる術で、私がどうこう言う資格はない
生き方は人それぞれ、いろんな人がいるから世の中おもしろい
するとどうでしょう。怒りで気が狂いそうだったのに、次第と「あ~またやってる」くらいにしか思わないようになってきたのです。
と同時に、驚いたことに長年の便秘体質が大幅に改善されたのです。これにはほんとうにビックリしました。
一体何が起きたのかというと、他人を許したと同時に自分も許した、ということなんです。人を嫌うということは、自分自身を嫌っているのと同じこと。「ぶりっこするのはダメ」という頑な思いを、「ぶりっこするのもしょうがない」に変えてあげると、自分にも優しくなれて、体もリラックスしたのです。
その後、またまた驚きの展開
後日談があります。
会社でイチャイチャされるのは、やはり目のやり場に困ることは確か。
それで、以下のようなイメージングを試してみました。
- 広ーい砂浜、海は穏やかでさざ波が寄せている、そんな光景を想像します
- イチャイチャの男女が、砂浜で大きなシャボン玉の中にいます
- 私は、シャボン玉の外で、彼らに向かってこう叫びます
「ありがとう、元気でねー !」 - このとき、心の底から、彼らに感謝し、彼らの幸せを祈ります
- すると、シャボン玉の中の2人が、「ありがとう、元気でねー」と私に向かって叫び返します
- そうこうしているうちに、シャボン玉はゆっくりと浮かび上がり、だんだんと遠ざかっていきます
- 私は、ありがとう、と叫び続け、満面の笑顔で見送ります。そして徐々にシャボン玉が小さくなっていき、しまいに大海原へと消えてしまいます
この映像を、毎日数回、頭の中で繰り返しました。
そして数か月後、この2人はほんとうに私の前からいなくなりました。
男性は異動で他のビルへ移り、女性は「この仕事は私には務まらない」とはっきりしない理由で辞めていきました。それも2人同時に起きたのです。
これもある程度説明がつきます。ぶりっこの彼女が私の前に現れた理由は、「強い思い込みを手放そう」「他人は他人、自分は自分なのだ」ということを学ぶ必要があったからなのです。そして、その学びが終わったと同時に、彼女も私の前から姿を消した、ということ。
あれほど嫌っていたのに、いまでは彼女に心から感謝しています。
他人から嫌がらせなどの攻撃を受けるパターン
あなたに嫌がらせをしてくる同僚は、あなたに嫉妬している、もしくは自分のストレスをあなたにぶつけて発散しているのでしょう。
このパターンで悩んでいるなら、攻撃してくる同僚を理解し同情してあげましょう。だって、人を攻撃すれば、いつか同じことが自分に返ってきます。「人を呪わば穴二つ」です。
そして、同僚の言うことは聞き流し、自分のやるべきことに集中してみてください。それから、何を言ってきても、顔の表情を変えず、堂々とした態度で接してください。
すると、相手は攻撃してもあなたが平然としているので興味を失い、そのうち嫌がらせを止めてしまいます。そして、あなたも同僚を「嫌いな人」として意識することもなくなりますね。
「嫌いな人」から自分を守ろうとすればするほど、誰かをイジメたい人を引き寄せます。なぜなら、外にばかりエネルギーが向いて、自分の内面がおろそかになっているからです。これでは、どうぞ私を好きに振り回して、と言っているようなもの。
そうではなく、自分という芯をしっかり持って、他人との境界線をはっきり引くのです。人目を気にし過ぎない、何を言われても自分は自分、という気持ちを強く持つようにしてくださいね。
「嫌いな人」はあなたの先生
あなたの前にあらわれる「嫌いな人」は、ネガティブな行動を自ら行うことで、あなたに大切なことを教えてくれる先生です。
その人が悪役を演じてくれるから、大切なことを学ぶことができます。自然と感謝の気持ちがわいてきませんか ?
誰かを嫌うのではなく、こういう人も世の中にはいるのだ、と思えるようになれば、嫌いな人が世の中から消えていきます。
ちょっと視点をずらして考えるということをヒントに、苦手な人をなくして、楽しく仕事をしていけるといいですね !