先日、大変興味深いホロスコープを鑑定しました。問題行動の多い元同僚のことです。
仲間からも顧客からも、みんなから嫌われていたこの男性。ホロスコープを見て納得しました。 彼は、月のアスペクトが独特なのです。
果てしない横柄さ
彼の月はふたご座にあります。これが太陽なら、頭の回転が早くおしゃべり好きと見ますが、月はそうなりません。
彼もたしかに饒舌で、自分は頭がいい、仕事ができる、と思っていますが、実際はその逆。
とりとめもなく、中身のない話を延々続けて、周囲を困惑させるタイプです。
悪いことに、拡大を意味する木星が月と重なり、さらに人を惑わす海王星が180度で月を直撃しています。
ただでさえうぬぼれの強い月が、木星、海王星の影響で歯止めが利かない状態。
加えて、最強の冥王星が月と120度(トライン)。トラインはふつうは良いと言われますが、月・冥王星の場合はやっかいです。
なぜなら、月(デフォルト)の意識が冥王星で強化され、社会生活にも影響がでるからです。
月・冥王星トラインの人は、たとえば約束の時間にルーズで、人を待たせても全く気にしない、なんてこともあります。
あるいは、人が嫌がっているのに、何度注意しても同じことを繰り返すということも。
つまり、自分(月)が絶対(冥王星)なので、迷惑行為をしても悪気がないのです。なぜ周囲に迷惑なのかも、本人にはわからない。
元同僚の男性も、お願いしても鳴ってる電話を取らない、言い訳三昧で自分の仕事を押し付ける、責任を取らずやりっぱなし、顧客とけんかし出禁、とトラブル続き。
あまりにも横柄で、周囲は困り果てていました。
ノーアスペクトの太陽・火星という不幸
この男性の困ったちゃんはさらに続きます。
太陽が他の惑星と角度を取らないノーアスペクト。彼の太陽は、サビアンシンボルで見ると21度。タロットカード大アルカナの「世界」に相当します。
大アルカナ最終カードですが、ピークを意味します。つまり、これ以上成長がない、とも取れるんです。蟹座21度は、おしつけがましさのピークを表します。
ついでにノーアスペクトですから、彼の太陽は成長の糸口がつかめません。月と同じく、暴走する運命です。
また、ノーアスペクト火星は、攻撃や防御の仕方がわからず、いじめの対象になったりすることも。そして、基本臆病なため人間関係でも疑い深さが態度に出ます。彼の攻撃性は、この火星によるものです。
彼にとっては、自分の世界がすべて、そこから成長することも難しく、試練の多い人生を歩むことを選んだ、といえるでしょう。
「反省」するとはなんぞや?
反省とは自分を省みることです。自分の行動について検証や分析を行うこと。そして得られた結論を未来に活かす、これが反省の一連の流れです。もっと成長したい、人生を充実させたい、という肯定的な思考に基づいて行うこと。
いっぽう、似たような言葉で「後悔」がありますが、これは反省とは真逆です。
後悔は過去への執着です。ああすればよかったこうすれば儲かったのに。自分の選択を悔いて受け入れられないため、いつまでも執着する。
元同僚の男性は、まさに「反省」できない人間の典型です。自分の不遇はすべて周りのせい、と彼は考えます。そして、被害妄想に取り憑かれます。
これを決定づけるトドメは、水星と天王星の90度。水星はその人の思考を表します。そこに天王星が90度で入ると、まとまるものもまとまらない状態となります。素直な思考が育たないとも言えます。
天王星90度というのは、見知らぬ人からいきなり平手打ちされたような衝撃なので、水星にしてみればいい迷惑ですね。でも、これも彼が選択したことなのです。
これほどネガティブ要因が揃ったホロスコープはなかなかお目にかかれないので、ご紹介しました。しかし、彼はある意味、チャレンジャーであるとも言えます。
このハンデを克服する人生を選んだのですから、いつの日か彼に気づきの時が訪れることを祈るばかりです。