ある日美容院で、どれくらいカットしてほしいか一通り美容師さんに説明したあと、
「あ、あとここもこうして。。。」と付け加えると、「わかってます」の一言。
言われた途端こちらもムッとして、二度とその店に行くことはありませんでした。
別に、「わかってます」ではなく、「は〜いわかりました」と言えばいいものを。接
客業なのに、損な性格の人だな、と思いました。
この接客の裏には、どんな心理状態があったのでしょうか。また、なぜそれを聞いた
私がむかついたのか。
怒りは防御
「わかってます」と言われて私がムカついたのは、怒りの感情を無意識に感じ取った
からです。
どんなにていねいに言ったとしても、感情は言葉に宿り、相手に伝わってしまうもの
です。
この美容師さんは、プライドが傷ついたのでしょう。
「そんなことは、あんたに言われなくてもわかってる」
「言われなくても、やろうと思ってた」
「自分は言われるまでわからないバカではない」
瞬時に、このようなことが頭をよぎったのでしょうね。言われたことが図星だったか
ら、それを認めたくないのです。
そして、心が傷ついているので、怒りによって防御しているわけです。
ストレスは内面の問題
日常的に、頑張っているのに報われない、という想いが蓄積していると、こうして怒
りを発散したくなるものです。
経営者というのは自由なように見えて、日々のプレッシャーとの闘いでもあります。
プレッシャーに負けて、いつしか自分を責めてしまう毎日
せっかく自分の店を持って一国の主なのに、なぜストレスを感じてしまうのか。
「頑張っているのに報われない」というのは、良い結果を出していない自分を認めら
れない、見たくない、という想いからです。
売上に波があるのは当然です。しかし、結果が出せない自分はダメ、と思っている
と、悪い部分ばかりに注目し、かえって悪循環になります。
数字ばかりを追ってもっと売上を上げたいと思うと、そう思わざるをえない状況が繰
り返されます。
仕事が楽しみではなく義務になってしまうと、そういう未来を選択したことになって
しまいます。
相手に怒りをぶつけるのは、自分に怒りをぶつけるのと同じ。まず状況にかかわら
ず、ありのままの自分をダメ出しせず受け入れましょう。
そして、なぜ自分はその仕事を選んだのか、原点に戻るといいと思います。望んだ仕事で食べていける幸せをかみしめる。
そうすると、日々の何気ない出来事の中にも、小さな喜びを見つけられるようになりま
す。